じょぶたんユーザー

NX・NPロジスティクス株式会社
西日本支店　大阪センター　西尾課長、楢崎様
情報システム部　福原課長、吉田様

NX・NPロジスティクスはエレクトロニクス業界における物流拠点、輸送ネットワーク、そして工場物流を通じて生み出された「モノづくりレベルの物流品質」に強みを持つ物流会社です。全国6拠点で半年間に亘る「じょぶたん」による事務作業者の時間計測に取り組んだ経緯についてお伺いしました。（以下、敬称略。聞き手：ＮＸ総研・福井）

総研

「じょぶたん」を全国6拠点で利用することになった経緯についてお聞かせ下さい。

NX・NP
ロジ

「じょぶたん」の元になっている倉庫の作業時間計測ツール「ろじたん」を複数の物流拠点で利用したことがあったので、「じょぶたん」はサービスが開始された当初から知っていました。
以前に出荷業務運用を変更した効果を確認する目的で担当する事務作業者のビデオ撮影と「じょぶたん」による作業記録を比較したことがありました。ビデオ撮影は3日間撮影して2～3名のスタッフの1日分の作業記録しか採取できなかったのですが、「じょぶたん」ではビデオ撮影よりも手間をかけずに約40名のスタッフの2週間の作業記録が簡単に採取できました。「じょぶたん」を活用する事により、IE手法（※）で正確な実態に基づく改善活動が推進できたと実感しました。 この時の活動を通じて、望んでいた結果が得られて社内で好評だったこともあり、出荷業務以外の事務作業も「じょぶたん」で時間計測をして業務改善に取り組みたいという声が現場から上がったので、6拠点を半年間に亘って利用することを決めました。

※IE手法（インダストリアル・エンジニアリング）：定量的な分析によって効率的かつ有効的に改善を行い、生産性を向上する手法

総研

「じょぶたん」でどのようなことをしたかったのですか？

NX・NP
ロジ

以前から事務作業者の業務効率化には取り組んでいましたが、時間計測の部分はExcel等を活用していました。作業者全員に作業項目と作業時間を記載してもらって、その内容を集計する方法で非常に多くの工数をかけて現状把握していました。「じょぶたん」であれば事前に分類する作業項目を準備しておけば、細かな作業内容を手間をかけずに把握する事ができます。その結果、改善策を検討する時間を多くとることができるので、その次に作業項目を日常業務と非日常業務に分けて作業工数を取ってみて、その比率を把握したいと思いました。
事務作業なので日常業務の中にはクリエイティブではない単純作業もあります。社員の本来の業務であるお客様との接点や改善活動にどれくらい従事しているのかを把握して、システム化などを行って単純作業の比率を下げる検討を加速したかった。
また複数の拠点で同じ作業をしている場合、もし拠点ごとに作業時間に違いが出ていれば、その違いが出ている理由を確認して業務改善のヒントが掴めるのではないかと考えました。

総研

「じょぶたん」を使ってみて良かった点は？

NX・NP
ロジ

部署別、係別の作業時間を把握することにより、残業時間にどのような業務をどれくらい時間やっているのか、荷主ごとにかかっている工数、従業員の業務スキル、属人化している業務などを明確にすることができました。
社内では力量管理プロジェクトというものがあり、上司が部下と個別面談をして、業務内容ごとのスキル評価をしているのですが、社員の各業務における習熟度を数値化する上で「じょぶたん」の作業時間データとスキルマップ（分析ツールの多能工化比率）が役に立っています。

写真１：大阪センター　業務課　西尾課長

総研

「じょぶたん」には作業が切り替わるタイミングで次の作業項目のボタンを押す開始指定モードと一定間隔で音が鳴った時その時にやっている作業項目のボタンを押す一定間隔モードありますが、両方のモードをご利用されたとお伺いしました。どのような違いがありましたか？

NX・NP
ロジ

計測される社員の立場で考えると、音が鳴った時だけボタンを押してもらう一定間隔モードの方が負担は少ないのですが、計測データを分析する立場としては1分単位の正確なデータを採取したいと思っていたので、この2つの計測結果にどれくらいの違いがあるのかを最初に調査しました。最初の3日間は開始指定モードを使って計測、その後の3日間は15分間隔の一定間隔モードで計測したのですが、計測結果はほとんど変わらなかったので、今は社員の負担の少ない一定間隔モードで計測しています。

総研

「じょぶたん」を使ってみてこれからやってみたいことは？

NX・NP
ロジ

当社では全社的に「全員営業」という活動を推進していて、これは営業部門以外の社員も空き時間を作って、積極的に新規荷主開拓のための営業活動をして、売上拡大に貢献していこうという活動なのですが、「じょぶたん」による業務改善活動を行って「全員営業」との時間がどれくらい増えたかを数値化して、その時間を営業活動に使って売上がいくら増えたというところまで算出してみたいです。
実際にどの社員がどれくらいの時間を改善活動、営業活動に従事できているのかはこれまで数値として把握できていませんでした。数値として把握できていないので、物差しがなく、具体的なアクションを起こすための話がしにくいというのがありましたが、「じょぶたん」ではBefore、Afterの数値が見られるので、目標とする数値も社員ごとに現実的な数値を設定できます。できれば今後も継続利用して「じょぶたん」による改善効果を確認していきたいと考えています。

写真2：営業事務のスマホ画面

総研

「じょぶたん」で改善して欲しい点はありますか？

NX・NP
ロジ

独自の作業項目を設定できるオプションのフリーテンプレートを利用していますが、フリーテンプレートの中の作業レベル１、作業レベル２、作業レベル３の３つの項目は初期設定から変えることができないので、ここを計測途中でも自分達で自由に変えることができるようにして欲しいです。
一定間隔で振動するバイブ音ですが、作業者が端末を机の上に置いたままの状態で席を離れると、周りの人間はバイブ音が1分間鳴りっぱなしだと長く感じるので、バイブ音は30秒と1分間のどちらかを選択できるようにした方がいいと思います。
あと付属のレンタル品のウェストポーチは移動の少ない事務作業者が使うのはちょっと抵抗があるので、首から掛けるストラップ形式のスマホ入れの方が手軽に使えるではないかと思うので、是非検討をお願いします。

総研

頂いた改善要望につきましては社内で情報共有します。首掛け式のスマホケースは市場価格を調査して前向きに検討します。本日は貴重なお時間とご意見を賜り、誠に有難うございました。

写真3：左から西尾課長、楢崎様